No.58 2000.7
もくじ
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●●●ADCA活動記録●●●
●●●新専務理事 ごあいさつ●●●
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ADCA活動記録
<プロジェクト・ファインディング実施状況 平成12年4〜6月>
バングラデシュ 無水地帯灌漑他給水システム改善計画
バングラデシュ G−K灌漑プロジェクト・ポンプ場復旧・改良計画


新専務理事 ごあいさつ

(社)海外農業開発コンサルタンツ協会 専務理事 的場泰信

 6月1日付けで専務理事に就任いたしました。どうぞよろしくお願いいたします。0DA予算に対する厳しい見方や、日本経済の海外での競争力の低下等、厳しい風が吹いていますが、新たな道が開けるよう微力ながら職務に専念し、努カしたいと考えております。

 ご存知の方もあるかと思いますが、私は、95年4月に旧メコン委員会を引き継いで発足した、メコン河委員会事務局に95年以来、4年問、初代事務局長として勤務しておりました.帰国後は、原稿や講演の依頼がある度に、メコン河流域のSustainable Developmentを目指すメコン河委員会の最近の活動について報告するように努めています。報告の目的の1つは、ダムのCascade Planで固まった旧来のメコン河開発のイメージを変え、新たな眼でメコン河流域の開発と保全を捉え、関係者の積極的な参加を願っているからです。

 本稿においては、少し角度を変えて、メコン河委員会事務局(MRCS)によるコンサルタント選定と業務に関わったコンサルタントの態様について触れてみたいと思います、

 MRCSでは、コンサルタントの協力を得て業務を行っています。コンサルタントの選定にあたっては厳しい選考過程を設けていますが、必ずしも、常にうまく機能しているとは言えず、選定されたコンサルタントの実カは千差万別です。MRCSで作成したTORに従い、通常、国連方式により、ロングリストの作成、ショートリストヘの絞込み、そして、選定された4〜5社による競争が行われます。世界中から、コンサルタントを選ぶのですが、中でも、世銀案件の場合は、世銀加盟国から実力あるコンサルタントを選ぶため、米国開拓局(US Bureau of Reclamation)や米国陸軍工兵部隊(US Army Corps of Engineers)もコンサルタントとして名前を連ねることがあります.

 この2つの機関の職員数や技術力、また業務の範囲や資金カ等は普通のコンサルタントではかなわないものがあります。しかしながら、実際のプロポーザルを詳細に点検すれば、必ずしも最後まで残るとは言い切れません。組織としての経験や能力が優れていても、業務に参加する技術者の能力や経験、知識等が、他のコンサルタントと比較したときに、劣っていれば当然のことです。

 MRCSとしては、業務の実施過程では、当然ながら、プロジェクトの運営面や技術面でコンサルタント本社の組織的支援を期待するのですが、実際には、コンサルタント本社の支援は契約交渉期間に見られるものの、契約後は現場のリーダーに殆どすべてが任されてしまいます。また、多くの場合、期待するような技術サポートは無く現場にいる技術者が処理してしまいます。そのため、最新の技術や手法が駆使されていない場合には、成果品の実効性や信頼性を疑いたくなるような事態に陥る恐れがあります。

 どのコンサルタントにも共通していますが、技術移転を期待するような重要なポイントはMRCSの職員を交えずに行われてしまうことが多く、ローカルの職員は貴重なCapacity buildingの機会を失ってしまうことが度々あります。コンサルタントは知識と技術を売り物にしていると考えられているので、技術移転を図ることも重要な要素です。

 メコン河委員会が途上国の機関の1つであることを考えれば、途上国が、コンサルタントに期待するものが自ずとはっきりして来ることと思います。コンサルタントの組織的能力もさることながら、業務に参加する技術者の技術力、知識、信頼性、協調性、言語、技術移転等に、先ず、注目していることは明白です。

 また、技衛者、個人個人がいろいろな機会を利用して、新知識や新技術を積極的に学ぶ必要があります。最近、課題となっているソフト部門についてもシミュレーションを取り入れた方法によって習熟することも必要でしょう。先に述べた米国陸軍工兵部隊(US Army Corps of Engineers)では、既に10数年にわたってこの種の手法開発を進めています。しかしながら、外国で一般的に採用されているからという理由だけで、地域特性を無視したり、あるいは、オリジナリティに欠けていれば、受け入れ難いところとなります。

 昨年までは、メコン河委員会の業務にはまだ日本のコンサルタントは参加していませんでしたが、今後は増えてくる機会もあるのではないかと思います。上に述べた事柄は国際的競争参加の最低条件であり、これをクリアするためのCapacity buildingは、コンサルタント側においても常に必要な事柄と考えるべきでしょう、世銀との協調案件であるWater Utilization Program Project(WUPP)に参加するJICAチームが、こうしたことを踏まえた編成になることも併せて期待したいと思います.

平成12年7月


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