No.69 2003.4
もくじ
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●●●ADCA活動記録●●●
●●●青年会議だより●●●
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ADCA活動記録
<プロジェクト・ファインディング実施状況 平成15年2月〜平成15年3月>
1
ベトナム
Kon Tum省農村インフラ整備開発計画
2 ベトナム ライチョウ省農村地域貧困撲滅計画
3 ベトナム 北部山岳地域バッカン省農業農村インフラ・生活環境改善計画       
4 バングラディッシュ 北西地域灌漑施設リハビリ計画
5 ウガンダ 農業農村インフラ・家畜繁殖改善計画
6 フィリピン ラグナ州南部ルソン高地畑作灌漑計画
7 バングラディッシュ 井戸灌漑管理計画
8 ボリビア コチャバンバ市近郊農村環境復旧計画
9 ミャンマー 農業・農村開発支援情報整備計画
10 ミャンマー 東シャン州農村開発計画
11 インド カルナタカ中規模灌漑近代化計画
12 インド トタパリ灌漑近代化計画
13 タイ 北東タイ、ルアング川流域の水管理計画

青年会議だより
JBIC業務とNGOとのかかわりについて(青年会議勉強会報告)



2003年2月に国際協力銀行(IBIC)NGO・地方自治体連携特命審議役の伊藤博夫氏をお迎えして「JBIC業務とNGOとのかかわり」というタイトルでADCA青年会議勉強会が行なわれました。

我が国では1998年NPO法成立から現在までに全国で約1万ものNPOが認証されており、また、国際協力分野においてもNGOはその活動を広げ、杜会への認知も進んでいます。また、我が国の国際協力の仕組みにおいてもNGOや地方自治体などの参加が求められるようになってきました。

このような状況の中において、国内外のNGOと数多く接してこられた伊藤氏の知見は、これから国際開発の分野においてNGO等とのコラボレーションを実施していく我々にとって非常に貴重なものであります。

ここでは、講義内容と幾つか関連情報を紹介させていただきます。

1. NPOの定義

ジョンズ・ホプキンズ大学Lester Salaman博士はNPOの定義として下の5項目を挙げています。

1) 正式に組織されていること

2) 民間であること、政府からの独立

3) 利益配分を行なわない

4) 白己統治

5) 自発的であること

2. 民間、NPO、政府の関係

同Salaman博士は政府と民問の団体およびその一種であるNGOの関係を以下の4つに区分している。

Statist型の目本などは、杜会においてNPOが未だ大きな役割を占めていないが、Liberal1型杜会では、NPOの存在が大きく、政府を動かす市民の声が大きい。

(図省略)

3. NPOとNGO

現在、非政府非営利団体を表すものとしてNPOとNGOの2つ言葉が使われています。ここでは大きなくくりとしてこれら組織をNPO(Non−Profitable Organization)とし、その中で特に国際的な活動を行なうものをNGO(Non-Governmental Organization)とします。


4. 国際NGOの役割

国際的に活動を行なっているNGOな活動は、大きく3つに特徴づけられます。

1) 高齢者や女性、杜会弱者などへのサービスの提供

2) 住民のエンパワーメントやマイクロクレジットなどの開発

3) 政策提言、ウォッチャーとしてのアドヴォカシー

このうち、政策提言、いわゆるアドヴォカシーを主な目的に活動するNGOあまりありませんが、NGOの活動の中では必ず取り入れられるものです。特に、杜会開発に対して各種の問題提起を行い、開発実施主体としては、苦情・提言と取れる内容である場合も往々にしてあります。しかし、NGO活動によって配慮が薄い部分に焦点があたり、プロジェクトが向上することもあります。また、モニタリングなどNGOを活用することで事業実施の後にも、それらをケアすることが可能になります。NGOもプロジェクトをより良くするパートナーとして期待されるのです。


5. 国際協カステージヘのNGO自治体の登場

JBICの円借款などへNGO、地方行政が参加する機会が増えてきています。特に地方分権化が進められる途上国では、地域間格差の是正が重要となってきており、これらに対して地方行政の知見を発揮した、地方担当者同士での対話なども重要となってきております。

これまで、日本の杜会では官民間での対話というと、官対民の対立構造になる傾向が非常に強かったものです。しかし、アメリカなどでは政府関係者が立場が変

わればNPOとなり、また、NPOから施政者の立場となるなど、非常にその役割分担が流動的となっており、今後、我が国でのNPOが発展することで、官と民の対立、民が官に一方的に苦情を述べるといった構造が解消されていくことになると予想されます。


6. NGOとの連携

現在、JBICではNGOとの相互の信頼関係を構築し、円借款での連携を促進するため、NGO定期協議会や1日交流会、講演・協議会などを開催しています。また、今後はNGOによるJBICセミナー研修や提案型・発掘方の案件形成調査など、様々にNGOと連携していく予定で考えています。


アフリカ地域の農業開発に関して(青年会議勉強会報告)

2002年12月に財団法人国際開発センター高瀬国雄顧問を講師にお招きし、海外の農業案件に関する間題点またアフリカ地域の農業開発に関するADCA青年会議が開催されました。

ここでは簡単に勉強会の内容についてご紹介いたします。

1.アフリカの課題

海外協力の主な舞台となっているアジアとアフリカを農業生産という観点から比較した。1960年代においては地球上の最貧地域は南アジアでした。しかし、アジアでは1960年代にコメにおける「緑の革命」が始まり、20年ほどでその生産量は倍増し「東アジアの奇跡」といわれる経済発展の原動力となりました。

一方アフリカは、1960年ごろからの相次ぐ独立を転換期としながらも、40年間経った現在は、1960年代の南アジアを下回る貧困地域となっています。

アジアとアフリカの違いの原因は一体何なのでしようか。

しかし、一番の原因は、東西冷戦の構造の中で行なわれた各ドナーの思惑による援助や、アジアにおける日本やタイのような発展の手本となる国が近隣になかったことによる、アフリカ諸国の自主性が育たなかったことにあります。

2. 農業生産

1960年代にアジアで起こった緑の革命が、アフリカでは1990年代になっても起こりませんでした。その理由として、アジアにあってアフリカにかけている2つの要素があります。

一つは政治的安定や経済政策の持続性、教育レベルなどの「人問」的要素であり、もう一つは水資源、土壌という「環境」的要素です。この2つの要素があればこそ、アジアの緑の革命は実現しました。

しかし、アフリカでは、独裁政治や計画経済、また部族間対立など政治的混乱が長くつづいており、また、自然環境的にみても降雨量が少なく、また地球上で一番古い大陸であることから長く侵食を受けたために土壌も豊かではありません。アフリカのODAの10%しか農業開発に投入されていないことも、大きな問題となっています。

3 ネリカ米

緑の革命は、新品種、肥料、水の3要素で象徴される。新晶種については近年ネリカ米(NERICA: New Rice for Africa)がWARDA (西アフリカ稲開発協会)によって開発され話題となっている。ネリカ米は陸稲のアフリカ種と水稲のアジア種を掛け合わせたものであり、基本的に陸稲の特徴を多く持つ。このため、雑草との競争、乾燥に対しては強いが、単位収量は1トン/haと水稲に比較して低い。

天水農業における多収晶種としてネリカ米は期待できるが、一方で土壌栄養分の収奪が多く、キメ細かな栽培技術が必要となるなど、解決すべき課題も多い。

従って、ネリカ米の開発で糸口は見えたが、他要素である「肥料」(アフリカ1Okg/ha、アジア200kg/ha)、「水」(灌漑率アフリカ6%、アジア35%)などの間題が解決されない限り、緑の革命を達成し、アジアのコメ平均単収3.5トンに到達するのは未だ時間が必要である。

また、単位収量を増加させるためには灌漑の実施や、谷地などの湿潤地の有効利用のためには、水や肥料への反応の良いネリカ米開発が必要となる。

4 コメの多品種に対する比較優位性

近年アフリカでのコメ需要が増加している主な要因として、その栄養価、料理の簡易性、貯蔵性などが優れている点が上げられる。一方で、きちんと栽培管理を行った場合には、他の作物と比較してコメの単位面積あたりの人口扶養能力は1.8倍である。今後、アフリカの食料問題を考える上で、このコメの有効性を正当に認識する必要がある。

5. アフリカの農村開発

農村改革の基本となるのは、「技術」「人閻」「環境」である。それらを事業実施に導くためには「政治意志」「住民参加」「実施能力」の3原則が不可欠である。さらに「持続的農林水産業」を達成するために必要なミクロ政策は1)農地所有・企業経営、2)投入財・金融、3)加工、マーケット、4)研究・制度、5)インフラ・環境の5つに分類できる。これらを図化したものが下記の「三次元農村確信の構想」である。21世紀のアフリカにとって「農業」という狭い視野だけでなく、「教育、公衆衛生、所得」などを含む「農村開発」の戦略が必要なのはいうまでもない。

このためにも、この「三次元農村革新」を中核とする新戦略を考えていくべきである。

(図省略)



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