2009年巻頭言集
もくじ
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●●●No.86 2009. 1●●●
●●●No.87 2009. 7●●●

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No.86 2009.1  (社)海外農業開発コンサルタンツ協会   会長 佐藤 昭郎
2009年の年頭にあたって

  ADCA会員および賛助会員ならびに海外援助に携わる政府および関係機関の皆様、新年あけましておめでとうございます。

 年頭にあたり2009年が皆様方にとりましてよい年となるよう祈念いたします。また、旧年中のADCAの活動に対しまして一方ならぬご協力ならびにご支援をいただき、深く感謝申し上げます。本年も倍旧のご指導ご鞭撻を賜りますよう心からお願い申し上げます。

 さて、昨年5月の第4回アフリカ開発会議(TICAD IV)で日本政府は、今後10年間でアフリカのコメ生産量を倍増(現在1,400万トン)すること、今後5年間でアフリカに対するODAを倍増することなどを骨子とする支援方針を表明したところであります。また、そのアクションプランともいえる「横浜行動計画」では、向こう5年間の措置として灌漑面積の20%拡大を目指す国際的な取り組みに貢献するため、水資源管理のためのインフラ開発・修復・維持管理の促進が明示されております。 ADCAとしてもこうした一連のアフリカ支援強化策を「追い風」と捉え、アフリカでの案件形成へ向けてのプロジェクトファインディング調査が今後一層重点的に行われる必要があると思います。

 また、昨年の10月には、国際協力機構(JICA)と国際協力銀行(JBIC)の ODA部門が統合し、新JICAが総合的な援助機関として新たにスタートしました。これにより技術協力、有償資金協力(円借款)、無償資金協力という3つの援助手法を一元的に取り扱うことが出来ることになり、途上国の多様なニーズに合わせ、より的確でスピーディーな協力が可能になることが期待されております。これに伴い契約制度等諸制度も見直されつつあり、コンサルタンツの業務内容も変わってきています。何れにしろ、途上国援助においてコンサルタンツは蓄積した知見を基に途上国の発展に必要な技術やノウハウの提供、人材の育成や組織の強化等きわめて重要な役割をこれまで果たしてきました。コンサルタンツの重要な役割を尊重し、その機能が十分発揮される措置が講じられることが切に望まれます。

 各コンサルタンツ企業におかれましては、時代の流れを常に先取りし、ODAを効果的、効率的に活用し、途上国の発展に一層貢献し、コンサルタンツの国際的活動の強化推進に資するような技術の研鑽や新技術の導入、組織、体制の見直しに努めることが今まで以上に必要であると思います。

 ADCAが世界の動きに的確に対処し、かつ日本のODAの推進にこれまで以上に寄与できるよう関係者の皆さんおよび関係機関とも協力しながら2009年が有意義な年となるように活動していきたいと思います。

  平成21年1月

No.87 2009.7  農林水産省農村振興局設計課 海外土地改良技術室長  内藤久仁彦
環境の変化の中で

  本年4月の人事異動で海外土地改良技術室長を拝命いたしました。ベトナムでのJICA専門家や緑資源機構および国際農林水産業研究センターでの調査業務など海外関係業務が続きましたが、それぞれの部署でADCA会員ならびに関係者の皆様には多大なご協力をいただき、本当にありがとうございました。今後も引き続き新しい職場で鋭意努力して参る所存ですので、皆様からのご指導、ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。

 海外室には、昨年8月から海外調整班が新設され、INWEPF(国際水田・水環境ネットワーク)、ICID(国際かんがい排水委員会)、WWC(世界水会議)など、水田農業や農業用水に関するグローバルな情報発信や戦略的なネットワークづくりの窓口も担当しております。気候変動への対応や食料・水の安全保障等の地球規模の課題への議論が世界的な高まりを見せる中、海外室もアジアモンスーン地域の水田農業の持続性や環境への親和性などをアピールしながら、戦略的に技術協力を進めていくことが求められています。

 今後予想される大幅な人口増加等を背景にした食料問題に対応するため、アフリカでも「緑の革命」に匹敵する食料の大増産が必要であると言われていますが、その一方で地球規模の環境問題に対処するため、農業生産性の向上と環境保全が両立する持続的な農業農村開発も求められています。

 我が国が今まで行ってきた、住民やコミュニティの自立を目指したきめ細かい技術協力が基本であることには変わりはありませんが、グローバル化する課題に向けて、求められる技術が高度化してきていることは事実です。

 日本の有する援助スキームを総合的・戦略的に投入するとともに、他ドナーとの援助協調への取組みもますます進んでいくことになり、案件形成もより総合的でかつ長期的な視野を持って行うことが必要になってくると思います。海外室にも本年4月から海外農業農村開発情報分析官が配置され、各国の協力ニーズや他ドナーの援助動向についての情報収集・分析を強化していくこととしています。

 このように海外技術協力を取り巻く環境が変化する中で、農業農村開発のステータスを高め、着実に成果を上げていくためには、幅広い情報の分析や人材の育成・確保に官民が一体となって一層戦略的に取り組んでいく必要があります。

 ADCA会員の皆様におかれましても、一層のご協力をいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

  平成21年7月



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