2010年巻頭言集
もくじ
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●●●No.88 2010. 1 ●●●
●●●No.89 2010. 7 ●●●

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No.88 2010.1  (社)海外農業開発コンサルタンツ協会   会長 佐藤 昭郎
2010年の年頭にあたって

  ADCA会員および賛助会員ならびに海外援助業務に携わる政府および関係機関の皆様、新年おめでとうございます。年頭にあたり2010年が皆様方にとりましてよい年となるよう祈念いたします。また、旧年中のADCAの活動に対しまして一方ならぬご協力ならびにご支援をいただき、深く感謝申し上げます。本年も倍旧のご指導ご鞭撻を賜りますよう心からお願い申し上げます。

 さて、昨年9月の国連気候変動首脳会合では、我が国の新たな中期目標として、すべての主要国の参加による意欲的な目標の合意を前提に2020年までに、1990年比25%削減が表明されました。人、物、資金、情報が国境を越えて大量かつ急速に移動する世界において、一国の問題が地球全体を脅かしうるという現実をこれまで以上に認識する必要があると思われます。

 また、昨年の3月には第5回水フォーラムがトルコにて開催され、閣僚級会合では、水に関する地球規模の課題(人口増加、食料不足、気候変動、災害など)にむけて「水の安全保障」を達成することをキーメッセージとして、世界の水問題解決に向けて取り組むべき事項を取りまとめた「閣僚宣言」を採択され、「貧困と飢餓対策のための水と食料」分科会では、農業用水開発への資金が不足している点などについても討議されました。今後の水問題解決にむけての指針となることが期待されております。

 このような国際的な動きとは別に私どもが係わっております海外援助の分野においても国内の制度が大きく変わりつつあります。 例えば、JICAは、2008年のJBICとの統合以来、事業内容、事業の進め方、契約制度が大幅に見直しされてきており、コンサルタンツの業務内容も少なからず変わってきております。 海外援助においてコンサルタンツは蓄積した知見を基に途上国の発展のために必要な技術やノウハウの提供、人材育成や組織の強化等極めて重要な役割を果たしてきました。こうした実態を直視し、国内のODA論議においてもコンサルタンツの重要な役割を尊重し、その機能がフルに活用できるような措置が講じられることが必要と思われます。 各コンサルタンツ企業においては、変化を先取りして、ODAが効果的、効率的に機能し、途上国の発展に一層貢献し、コンサルタンツの国際的活動の強化推進に資するような技術の研鑽や新技術の導入、組織、体制の見直し等に努めることも今まで以上に必要であると思います。

  
 ADCAにおきましてもこうした事態に的確に対処し、かつ日本のODAの推進にこれまで以上に寄与できるよう関係者の皆様および関係機関とも協力しながら2010年が意義深い年となるよう活動していきたいと思います。

  平成22年1月

No.89 2010.7  (社)海外農業開発コンサルタンツ協会 会長 青 山 咸 康 
ご挨拶

  私は平成22524日開催の、当協会の総会におきまして、(社)海外農業開発コンサルタンツ協会会長職を前職の佐藤昭郎会長より継承いたしました。ご承知の通り、昨年の政権交代以前から始まっています、公益法人改革の流れ、その後の政権交代による公益法人の事業仕分けなどにより、各種の財団法人や社団法人は従来の組織体制をそのまま維持することが困難となっております。中でも最も大きなものは、その法人の業務と関連ある監督官庁の元公務員という履歴を持つ者が、法人の役員に就任することが、大きな制約を受けるようになったことでありましょう。今回の私の就任もそのような大きな流れの中のことと認識しております。

 私自身の経歴は、現在まで一貫して大学教員であり、日本のODAによる海外農業開発に関して深い理解や見識を有している者でありません。一般の大学教員の海外活動と言えば、国際学会参加とか,何らかの手段による海外研究機関での在外研究活動でありましょう。この点からすると、私の海外経験は一般の大学人と変わっており、国際学会参加は数少なく、むしろJICAの短期専門家としての途上国派遣件数を多く経験しております。

 このような事情ですので、ADCAの存在は以前より承知しておりましたし、身近の人々からこの組織の話を聞いたことも良くありましたが、現在まで直接関係を持ったことはありませんでした。今回,このお話を伺った時点から、本協会の資料を拝見させていただき,勉強させていただいている次第です。

 19781996年の間、本協会の専務理事を努められた井上自然氏の手になる冊子「ADCA20年の歩み」は設立後20年間の歴史が良く纏められています。しかし現状に直接繋がるそれ以降(1997〜現在)の13年間の事情を纏めた良いものは無くて、事情にうとい自分は少々困惑している所です。ともかく現状は、近年の国のODA予算のおよび会員数の減少等に伴い、本協会の予算規模が減少し、最盛期(1992年)には5.5億円であったものが,今年度予算においては1.0億円規模となっております。従って当協会の運営は、経済的困難をきたしており、実質的に専務理事不在の状態がここ数年続いております。今年度からは、この専務理事席を当面空席とし、専任職員は企画部長他の若干の職員による体制により運営せざるを得なくなっております。

 
今回の役員体制変更を伴う組織替えは、その契機が
2009年の政権交代であったとしても、また今後の政局が混沌としており先が読み難くいこともありますが、近い将来において施政方針が旧に復するとは予想し難く、当面このような体制の運営をすることは協会存続のために必要な処置と考えております。

 過去33年間に積み上げられた先輩諸兄の努力による本協会の実績:プロジェクト・ファインディング事業(19772009に約2,700件)、受託研修事業等を今後とも可能な形態で継承し、関係機関による海外農業開発共同の根を絶やさぬよう、微力を尽くす所存でありますので、諸兄のご支援をお願いいたすところであります.

  平成22年7月



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